2018/12/05

フィリップス・コレクション展

三菱一号美術館で開催中の『フィリップス・コレクション展』に行ってきました。


いわゆる有名な作品だったり、誰もが見たことがある作品の展覧会ではないのですが、どれもこれも「重要な」作品ばかりです。
重要な・・・そう、画家にとってもしくは美術史においてターニングポイントになるような、もしくは今後の流れに繋がっていくような?そんな「重要な」作品が多かったように思います。

例えばゴーガンの「ハム」。
ハム?・・・ハム?(心の中で2回言った)
ゴーガンがハムを?描いたの?
でも、その絵を見たら。ゴーガンなんですよー!
私なんかでも「あ、ゴーガンだわ、これ。」ってわかっちゃう。

ゴッホはゴッホだし、モネはどうしたってモネ。
当たり前なんだけど、それをストレートに感じた美術展でした。
ゴッホたる何か、モネたる何か、その画家の画家たる所以がわかる作品が集められていたように思います。

印象に残ったのはセザンヌ。今までそんなに好きというわけではなかったのですが、今回来ていた3枚はどれもとても良かった!
上出来のセザンヌが来ていました(何様だ、ワタシ)。

ボナールも良かったですね。
ピエール・ボナールと言えば入浴する女性(奥様のマルトさん)の絵が多いですが、今回はそれは1枚もなし。
でもちゃんとマルトさんの絵はありました。
ワンちゃんを抱っこしているマルトさん。
※写真撮影可のお部屋でパネルを撮影したものです。

いま国立新美術館で『ピエール・ボナール展』やってますね。
そちらも観に行ってもいいかもねー。混んでなければ・・・。

モネの「ヴァル=サン=ニコラ、ディエップ近傍(朝)」は一番長い時間見ていたんじゃないかな。
モネが描きたかった光・空気・時間・瞬間・・・てこういうことかな?って思えた絵です。
額の外まで絵の中の空気が滲み出てきているように感じました。
ちょっと絵から離れて見ていると、私と絵の間に他のお客さんが入ってきます。
絵を近くで見たいお客さんです。
でも、それがまたいい感じなんです。
そのお客さんも絵の一部になってしまって、美しい風景と人物を描いた絵になります。
なんだか不思議な体験。

ジョルジュ・ブラックのコレクションも多かったなぁ。
今まできちんと見たことがなかったですが、おしゃれですね、ブラックの絵は。
特に「鳥」なんかは。


美術館を出て、中庭で一休み。
あら。きれいにお花が咲いている。バラ??

それにしても疲れた〜〜〜。
この展覧会のタイトルに「全員巨匠!」とあるのですが(笑)看板に偽りなしでした。
ほんとに全員巨匠だった。
モネ、ゴッホ、ドガ、セザンヌ、マネ、ドラクロワ、ピカソ、ボナール、コロー、ユトリロ、ブラック・・・あぁ挙げたらキリがない!
最初から最後まで集中を途切れさせることなく、見入ってしまいました。
(ワタシ、たいてい中だるみするんです・・・)
でも期間中もう一回見に行きたいと思える美術展です。
ゴッホやモネ、ピカソ、セザンヌをゆっくり見られるなんて贅沢ですよ〜。

(混雑に尻込みしてフェルメール展には行けそうもないです・・・。もちろん見たいけどね。混んでるんでしょ?でしょ?)

おまけ。
ミュージアムショップでこれ買った♪
アンリ・ルソーの絵が表紙のノート。