2021/03/27

小村雪岱スタイル展

首都圏の緊急事態宣言が開けましたので。
さっそく行きたかった美術展に行ってまいりました。


小村雪岱スタイル展@三井記念美術館でございます。

東京駅での用事を済ませ、桜が満開の道を歩いて行きましょう。

日本銀行と桜。



日本橋三越も桜でかすむ・・・。

桜を満喫しながら歩いて10分弱、三井記念美術館に到着。


三井記念美術館は大好きな美術館のひとつです。
普段からあまり混み合わないのも嬉しい♪
でも、このご時世です。入館には事前の予約が必要です。

さて、冒頭の写真に戻りますが・・・。


小村雪岱。
私は昨年知りました。
大正から昭和初期にかけて活躍した画家です。
画家・・・?イラストレーター?グラフィックデザイナー?本の装丁家?
今で言うアートディレクターのような仕事もされています。
資生堂のあの独特なフォントを作ったのも小村
雪岱さんだそうな。
とにかく素晴らしいセンスの持ち主だったようです。

私が特に見たかったのは、パンフレットにも載っている「青柳」。
これはシリーズもので「青柳」(春)、「落葉」(秋)、「冬の朝」(冬)の3枚があります。
誰もいない室内や外観を描きながらも、人の気配を感じさせる。
“留守模様”と言うそうです。粋な言い方ですね。

アイソメ図法のような俯瞰した構図も特徴的です。
いやいや、アイソメなんて言い方ではなく、
日本の絵巻物などによく見られる構図で“吹抜け屋台”と言うんですって!
これまた粋ですなぁ・・・。

雪岱の作品の中では数少ない肉筆画もございました。
「こぼれ松葉」などは秀逸でした!
絵の前で「く〜〜〜〜〜〜〜っ!」と心中は悶えておりました。

パンフレット裏面のこの版画。
物語「おせん」の挿絵です。


なんなの?このセンス。
雨の細い縦線、丸い傘の重なりと放射状の線、
白と黒のみの世界でこんなにも豊かな表現ができるなんて!
心中悶えた作品のひとつでございました。

左下の絵葉書、これは泉鏡花の「日本橋」の装丁です。
可愛い!ちょうちょがたくさん舞っています。
春らしいので絵葉書を買ってしまいました。

今回、装丁本を見るのも楽しみにしていました。
たくさんのかっこいい&美しい装丁本があったのですが、
泉鏡花「斧琴菊」の装丁がすごかった!
なんでこんなデザインを思いつくのだろう?
黄色地に海辺の貝殻などが描かれたの絵の上に、
水色の地に薄いピンク色で描かれた牡丹(かな?)や蝶が舞うの絵、
さらに青地に白い鶴が描かれた絵を重ねています。
それを一部朱色の縁取りで囲っている・・・。
あー、説明がまどろっこしい!しかも伝わらないですね(汗)
気になった方は実物を見に行ってね(乱暴な締め)。

舞台装置原画も凄かったんだけど、長文になったのでここらへんでやめておきます。
小村
雪岱、すっかりファンになりました。

ついでの写真。
翌日の銀座の桜。


銀座も満開でした♪

雪岱が生きていたら。
現代の東京の景色をどう描くんでしょうね。
ビル群とかカッコよく描いちゃうのかな。